クエン酸の役どころ
もう一方のクエン酸ですが、これは柑橘類などに含まれる有機化合物であり、ヒドロキシ酸のひとつです。クエン酸は日本薬局方収載品で、薬局などでも市販されています。
以前は検査用血液サンプルの抗血液凝固剤などとしても利用され、今でも成分献血時に、抗血液凝固剤として使用されています。
クエン酸ナトリウム・クエン酸カリウム合剤は、尿をアルカリ化させて尿酸の排泄を促進する効果があり、痛風など高尿酸血症の治療薬としても使用されています。また、食品添加物としても、清涼飲料水や各種加工食品に添加されています。
さて、前項で重曹はアルカリ性で、クエン酸は酸性であると説明しましたが、その特性を活かして、掃除の際の役どころも変ってきます。
クエン酸の用途をまとめると、「水垢や白いガリガリの汚れなど、水に含まれているミネラル分が原因となる汚れ落とし」、「洗濯槽に沈着した白い結晶の様(炭酸カルシウム)なものの除去」、「トイレのアンモニア臭など、アルカリ性臭の消臭」、「石鹸洗濯のすすぎなど、アルカリ性物質の中和」ということになります。
ポットの水垢などの清掃にはよく使われています。ただ、潮解性(ちょうかいせい)があるので保存には注意が必要です。潮解(ちょうかい)とは、物質が空気中の水蒸気(水分)をとり込んで自発的に水溶液となっていく現象のことです。